「いずれ書きます」っていった次でいきなりこのタイトル。
そう、CPUグリスの役割。グリスって書いてあるから、何もわからない人だと「潤滑…?」ってなるのかもしれない。そう、CPUのいっちばん熱いホクホクの箇所の滑りをよくするためのものです。違います。
何も塗らないことが一番冷却される(机上の空論)
かなりあっさり簡単に説明すると、CPUの上に銅の板(ヒートスプレッダー)を乗せてCPUの熱を伝導させ、その先のクーラー(空冷だったり水冷だったり)で冷やす。CPUクーラーとはそういった仕組み。
ここで重要なのがその伝導のしやすさで、いわゆる熱伝導率というやつだが、これって金属同士が一番高い。そう、つまりなにも塗らない、間に邪魔者がない状態が一番効率的なのだ。
そして逆にとても熱伝導率が悪いやつがある。「空気」だ。
そう、答えは出た。隙間を完全になくし、ピッタピタに金属同士を接地できれば、それが一番冷却効果がある!
金属同士の隙間を埋めるためのCPUグリス
ところが、こんなの当たり前だがどうしたってCPUとヒートシンク側、ともに表面平滑度には限界がある。接合面は大げさにいえばデコボコで、「面」ではなく「点」で接地していると思っていい。
これでは接地している部分以外は逆に隙間だらけだ。隙間ということは空気が入る。空気は熱伝導率がとてもとても悪い。熱を伝導させなきゃならないのに、これだと逆に間に断熱材をいれているようなものなのだ。
そこで登場するのがCPUグリスだ。グリスだって、金属同士に比べればとても熱伝導率は悪い。実は。
どんなに高価なグリスだってその熱伝導率は「10~15W/m・K」あたりだろう。ちなみに銅の熱伝導率は400W/m・Kだ。圧倒的ではないか、我が銅は。
それでもグリスを塗る理由、それは空気の熱伝導率がさらに低すぎるから。
あまりに低すぎる空気が間に入るよりは、これだって悪いけどまだグリスで埋めてるほうがいいや、の着想で塗られているのがCPUグリスなのだ。
冷却クーラーにとって断熱材は薄いほうがいい
CPUグリスは薄いほうが良い薄い方が良い、ってそこらじゅうで見かけるだろう。上記で説明したのがその理由だ。グリス自身だって熱伝導率の観点でいえば断熱材でしかない。それでも、間に空気が入るよりかはマシだから塗ってるのであって、これを厚くしてしまっては本末転倒だからだ。
まぁしかし、中途半端な感じで気泡だらけ、隙間だらけで塗るくらいならばもうベターって塗っちゃってもいいかもしれないが、熱伝導率より何よりマザーボードを汚してしまうし、モノによっては通電性があったりすると基盤をショートさせてしまう恐れがある。どれくらい塗るのか?については多くの先達が動画などを投稿してくれているので、見てみると良い。
人によってめっちゃくちゃ違うから迷うだろうけど(え!?
CPUグリス、塗り方による差がほとんどない説
ほんとにこれが結論みたいなものだが、真面目に差があまりない。塗らないよりはいいが、たとえばそれで10℃差が出る、って検証はないんじゃないだろうか。あっても1~2℃の世界なのだ。
どうしても迷うなら公式の塗り方でいい。通称「雲子盛り」。ウンコモリ。

CPUのど真ん中に、米粒より気持ち大きめのウンコを落とすグリスを落とす。
あとはそれを「塗り広げる」とかもせずに、ただ上からクーラーを圧着させて塗り伸ばしてしまうものだ。同時にグリスの中に入り込んだ気泡も押し出す感じで。
実はこれだとCPU全域には行き渡らずに、四角に隙間は残る。が、一番高熱になるCPU中央部分はカバーできている。この結果、他の塗り方との差があっても1~2℃というわけで、これはCPUメーカーの公式でも推奨されている。
塗り方だけではなく、途中でも書いていたがグリスの種類も様々だ。これは実は「塗り方」のときのような感じではなく、結構差が出たりする。5℃くらいの違いは出るんじゃないだろうか。そういった検証をしてくれている動画などもかなりあるので、確認してみると良い。結論は出るはずだ。
あ。安物すぎるとアレだけど、〇〇あたりの価格帯ならあんま変わらないんだな、じゃ〇〇でいいや、と。