CPUグリスの塗り替えは別にしなくて良い

パソコン・周辺機器

いや、それはおかしいゾ、ちゃんと悪くなったら塗り替えなくちゃ、と自分で書いてて思った。そう、なんでもそうだが、悪くなってるものを放置していて勝手に直ることなんかない。

痛かった虫歯を放置していたらそのうち痛みがなくなった、良かった良かった、いやちがうぞ、それは歯の神経までイッちゃった証拠だぞ、歯茎の終末期だぞ、というのと同じくらい、勝手に直ることはない。

で。虫歯じゃない、CPUグリスだ。


CPUグリスは定期的に塗り替えるべきか?

CPUグリスというものの存在を知り、その塗り替えという作業を知ったパソコン初心者がネットの世界に問いかける。

CPUグリスはどれくらいで塗り替えるものですか?

SNSでもYouTubeでもYahooの知恵袋でもこういった質問は数え切れないほど頻出する。そして登場するCPUグリス警察ご意見番の方々。

毎年替えるべき

2年経ったらやるべき

3年経ったらやるべき

5年経ったらやるべき

替えたことないです

結局こういう意見の方々だって「個人的な意見ですが」だと思うし、ことさら批判するわけじゃないが、自分も「個人的な意見」を言わせてもらうなら「気にしすぎないほうがいい」だ。


CPUグリスの劣化を気にするなら調べるべきこと

個人的には、「まず劣化ありき」で交換時期を考えるよりなにより、先に調べることがある。そもそもCPUグリスはなんのために塗るのか、だ。

このメカニズムや仕組みを説明しだすとそれだけで記事のネタになってしまうのでいずれに譲るが、結論だけ言うと「CPUクーラーの冷却効果を維持するため」だ。

ということは、答えは単純。期間が来たから劣化してるだろう、塗り替えよう、ではなく、まず冷却効果がどうなってるかを調べてからでいい、というのが自分の結論だ。

そもそも、冒頭の話は前提が「初心者」だ。何度も経験済みの自作PCユーザーではない初心者。なんでもないCPUグリス塗替え作業だが、それでもこういった層にはハードルが高め。昨今流行りのBTOパソコンの購入者でも、実際にPCケースを開けたことなどはないです、なんて人は本当にたくさんいる。ゲーミングPCの隆盛のおかげで、メーカーパソコンじゃなくてBTOで買いました、という人が最近は本当に多いのだ。

そういった人々に「グリス替えたほうがいいよ!簡単だよ、クーラー外して古いのを拭き取って、ちょこんとグリス乗せるだけだから!」なんていったって怖い怖い。それでCPUのスッポン(CPUクーラーを外したときにCPUも一緒に抜けてしまう現象で、その際にCPUのピンが折れたりすると当たり前だが御臨終)でも起こされたら冷や汗ものだからだ。

なので、そういった層にはぜひ「期間固定」で考えるのではなく、熱が上がったら解熱剤を飲む、のと同じ発想でいいと思う。そう、CPUの熱が上がる→冷却効果が落ちてる→グリスが劣化してる、でいい。特に悪くもなっていないグリスを塗り替えようとして壊してしまうことのリスクもなかなかだ。


CPUの温度はソフトで計測できる

人間のおでこを触るのと同様にCPUに触れてみる、なんて必要はない。というか場合によっては火傷する。いや、その前に色んな意味で壊してしまいそうだからそんな事する必要はない。

CPUの温度はソフトで計測できる。いろんなアプリケーションがあるが、取り急ぎ温度を知るためなら「Core Temp」などのソフトで十分だ。

これらのソフトを起動し、いったんパソコンを操作せずにアイドル状態にしてみる、それでも60℃~等となっている状況は明らかに異常なので、それは冷却効果に問題がある可能性が高い。通常ならば室温が25~28℃のときで30℃台あたりが妥当だろうから、そこから大きく逸脱している場合はなんらかの問題を抱えている。(このあたりの平均的な温度については搭載しているCPUにもよる)


温度で判断してCPUグリス交換を検討する

まだやったことのない初心者の方なら、これらから判断してからでもいい、とは思う。

もちろん自己責任なので、1年経ったのでちょっと挑戦してみたい!ってやってみるのは自由だ。ちなみに実は筆者もその一人だ。当時、今ほどネット情報もなかった時代に試してみて、モリモリに塗り込んだのを覚えている。あれは絶対に、逆に冷却効果が落ちていた。CPUグリスは可能な限り少量であるべき、かつ空白はないほうがいい、なんてクソ面倒なものでもある。

そもそもなんのために塗っているのかほんとうの意味で理解していなかった。よく壊さなかったものだ。

この項では深いところまで説明していないが、とにかく結局は自己責任であるが、無理に期間で決めつけて変える必要はない。

ちなみにカピカピに乾いていたって別に冷却効果に大きなダメージはない。「その隙間をきちんと埋めてくれている」ことが重要なのだ。なので、硬化してしっかり固着しているのなら問題はない。

乾ききってヒビが入り、亀裂ができて欠けがでてくるようなら変えるべきだが、そこまでの時期がグリスの種類や使用環境に大きく左右されすぎるので、一概には言えないのだ。

いずれ、CPUグリスの果たしている役割やその塗り替え作業についても紹介しようと思うが、もしこれを読んだ初心者の方がいたら、赤の他人の意見を鵜呑みにしすぎないことをいっておきたい。

といっても、この記事も赤の他人の意見ではあるんだが。

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